規制賛成派へのメッセージ

自分が知らないことを、悪いものだと決めつけないでください。

子供を守るというのは必要なことかもしれませんが、それを口実に、子供にあなたの理想や希望や考え方を押しつけていないか、いま一度考えてください。

昔の社会主義がそうであったように、間違った努力が事態を悪化させることは多々あります。このことを少し考えてみて下さい。

他の人々が漫画を読めなくなるということは息抜きの時間を奪われるということであり、あなたにとって、たとえばテレビを見たり、草いじりをしたり、といったことができなくなることと同じである(あるいはもっと深刻かもしれない)、ということを考えてみてください。

たとえば、(今すぐにはあり得ない事ですが)今回の規制が原因で、普段あなたが見ているテレビドラマや映画や小説の自主規制が強化されて、面白味がなくなったり、あるいは再放送ができなくなったりしたらどうしますか?

東京都は規制は漫画だけで、傑作は除くといっていましたが、都知事有害図書規制の担当者が交代するなどした結果、条例に書かれていない細かい規則が変わって、この条例による規制の対象が漫画以外にも広がり、ありとあらゆる小説やドラマや映画までも規制されるようになる可能性があります。すると、東京都が意図した以上にさらに自主規制が行われ、出版できない小説や上映されない映画が出たり、自主規制で改変されて面白味がなくなったりすることはかなりの確率で考えられます。海外の多くの映画には、年齢制限のないものでも芸術や日常生活としてのセックスシーンがあり、すでに日本版では法律上カットを余儀なくされているそうですが、もっとごく普通の映画でも日本で上映する際にカットされるシーンが激増するでしょう。今回の条例はあまりにも文章があいまいなこともあって、規制は、すべての人々に降りかかるかもしれないのです。

また、東京都はPTAへの説明会において、すでに18禁の規制をしていて、従って袋づめや専用の本棚への移動が義務付けられている本を、「きちんと本屋で子供に読まれないような対策がされておらず、野放しである」という嘘をついて参加者に見せたという話があります。東京都や警察の情報をうのみにしないで下さい。