性の独占と支配

以前にも書きましたが、橋本知事は、漫画の規制を実質的に強化する一方で、東南アジアでの日本の男たちの買春行為を正当化する発言をしたようです。
漫画規制の強化(2010年にボーイズラブの本を東京都に先駆けて次々と指定したようです)の一方で、女性差別のたっぷり入った、まさにわいせつ発言。この発言をしているという事は、彼自身、外国でそういうことをしているからなのかもしれません。(ついでに言っておくと、売買春は犯罪とすべきでない、セックスワーカーへの差別こそ最大の問題である、という人がいますが、一方では家政婦など普通の仕事だと言ってだましてこのような危険な仕事につかせたり、極端な場合は不当で多額の借金を負わせて返済するまで監禁し、さらに稼ぎの大半をピンハネしたりすることがあり、この場合買春はそうした事実上の奴隷制、あるいは強姦以上におぞましい犯罪に間接的に加担することになるという話があります。)

このように、新保守主義の政治家が、セクハラや女性差別まがいの発言をすることがよくあるようです。(例:wikipediaによると、イタリアのベルルスコーニは、スペインの閣僚の過半数が女性になったことに対して「ピンク過ぎる。イタリアではありえない。イタリアは優秀な男性であふれているし、閣僚にふさわしい有能な女性を見つけるのは容易ではない」と発言。)

若者と女性の性を抑圧し(漫画規制もこれに当てはまります。)、一方でセクハラや女性差別まがいの発言をするのは、性の不当な独占と、性の不当で犯罪的な使用といえるのではないのでしょうか。これこそが性を用いた究極の、狂気じみた支配といえるのかもしれません。

ついでのもう一つ、私が言いたいことがあります----純潔教育を推進している人で、実際にその通りにストイックな生活をしている人が、いったいどれくらいいるのか、という事です。自分にできない事は、自分の子供にもできない可能性が高いから、それを前提に、社会の光と闇をきちんと教えるようにする、性教育もきちんとする・・・。

これはあくまで理想論です。世間知らずで引きこもりがちな生活をしている私でも、実行はとても大変であろうことは容易に想像がつきます。ただ、自分ができなかった理想を子供に望むではなく、その理想が間違っていたのではないか、と一度くらいは疑ってくらたら非常にありがたいなあ、と思うのです。

そして、純潔教育や漫画規制を推進している政治家や警察を含む官僚には、自分が守れなかった社会のルールを子供に守らせようとする親の心理を利用しつつ、一方で、性の不当な独占と、性の不当で犯罪的な使用を行っている人がいるかもしれない、という風に権力のある人々を疑う心を持ってほしいのです。