独裁の季節:恐るべき改正都条例

表現に語弊があり、大きな誤解を招く可能性があるので、一旦削除して書き直しました。



千年に一度の大津波が押し寄せ、原子炉は使用済み燃料が外にほぼむきだしになりました。このような非常時にこのようなブログをするのは不謹慎かもしれません。
もちろん、私もまた、東北・東関東大震災の犠牲者を深く追悼し、一刻も早い復興と災害に遭われた方の健康と安心を願ってやみません。


しかし、都知事選の今しか回避のチャンスがないのです。東京都知事は、地震は天罰で、津波は人々の心を洗い流しに来たのだなどという一万人以上の命を奪ったと推測される地震を美化する失言を犯しておきながら、一方では地震で救援のために一つになった心を悪用しようとしている気がしてなりません。
去年の暮れに突如採決され、物議を醸している東京都青少年育成条例。改正後は一体どんな本が規制されるのか考えてみた。
過激な漫画だけかと思って、条例を読んでみると、、、漫画に縁がなくても、決して無視できません!
漫画だけではありません。当面の間漫画だけを規制すると言っていますが、条例上はありとあらゆる出版物です。どうなるかわかりません。
漫画以外の18禁となるかもしれない例を考えてみますと、

・数多くの宗教書の創世記(例えば旧約聖書日本書紀
 人類が作られた直後の時代において、違法行為である近親相姦が普通に書かれている(はっきり言って、寿命の短い当時の人々は、当然18歳未満で結ばれることが多かったはず)
 創生主が人を平気で殺す。(例:死の四銃士
「性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発」というのだから、都知事の命令ひとつで、かなり多くの宗教書が弾圧できる!
・No.6(あさの あつこ)
 主人公は市の刑務所に不法侵入するし、市の職員は主人公の恋人(未成年!)を誘拐し、人体実験に使う。(不健全図書指定担当者≒警察から見ると青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長と見られかねない)
 ヤングアダルトも童話ものもかなり規制される!
娼年(石田 衣良)
 不健全図書指定担当者≒警察から見ると、男が女に性を売るのを、"何のためらいもなく"書いているとみなされる
上の例は主人公が18歳を超えているとはいえ20歳には達しておらず、実際作品中でもそれが原因で通報されてしまう。

「青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」という条文では、きわめて曖昧であり、青少年が読み、そして犯罪を誘発する可能性がほんのわずかでもあれば何でも規制して良いことになる。(今の原発の「人体に影響はない」という見解とは正反対である。)だから、

・ありとあらゆるスパイ小説・映画
・ほとんどの戦記物
 いうまでもなく、何のためらいもなく殺人などをする
金曜日の妻たちへなどの、ほとんどの不倫もの
・ヨーロッパの古典ファウスト
主人公の恋人の兄と主人公に取りついた悪魔の決闘シーンがあり、今の日本では決闘罪
・ほとんどのサスペンスもの
・・・・・・

こんなに恣意的に拡大解釈される筈がない、と思っている人へ。
今回の漫画規制騒動の発端は何だったでしょうか。
最初は、2004年秋に起こった幼女拉致殺害事件を発端とする、ロリコン漫画バッシングだったのではないでしょうか。それ以来、漫画の規制の対象は、(男の)オタク文化全体、ボーイズラブ、レディースコミック、少女マンガ全体、とすでに続々と拡大してきた、という感じがします。
以下の例は東京ではなく、大阪の例なのですが・・
http://indigosong.net/2010/04/post_246.html
大阪に住んでいる18歳未満のあなたへ:となりの801ちゃん
http://gigazine.net/news/20100428_osaka_boyslove_magazine/
ボーイズラブ雑誌8冊を含む雑誌11冊が正式に「有害図書」として指定される:gigazine
このような実例を見ると、規制は必ず続々と拡大するのではないかと思われます。なお、大阪府知事も同様の規制を始めようとしていますので、要注意です。
書き足りないことも、説明の不完全なところも多々ありますが、時間の関係で次回に回します。